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おサルに願いを㊲七つの、猿の歌

こんにちは。二助企画です。

 

前回、コラムの最後に少しだけ触れた「七猿歌(しちえんか)」。今回は、この七猿歌について、詳しくみていきます。

 

「七猿歌」とは、慈恵大師良源(じえだいし・りょうげん)が、日吉山王権現の使いである猿、つまり、神猿(まさる)さんにちなんで、「さる」を詠みこんだ七つの処世訓の歌です。日光東照宮の三猿の教えの源流は、この七猿歌にあるともいわれています。

 

天台宗では、次の二つの考え方を特に大切にしています。

 

諸法実相

この世のすべての物事は、ありのままの姿にこそ真実がある、という考え方

 

三諦円融

物事は一つの見方だけでなく、

・空(くう)=固定された実体はない

・仮(け)=現実の世界では形として存在している

・中(ちゅう)=その両方をあわせてとらえる

この三つの見方を、同時に持つことが大切だ、という考え方

 

七猿歌には、こうした天台宗の教えが、歌というかたちで分かりやすく込められていると考えられています。

 

では、さっそく7つの猿の歌をご紹介しましょう。


一、つらつらと うき世の中を思うには まじらざるこそ まさるなりけれ


二、見聞かでも いわでもかなわざるものを うき世の中にも まじるならいは

 

三、つれもなく いとわざるこそうかりけれ 定めなき世を 夢と見ながら


四、何事も 見ればこそげにむつかしや 見ざるにまさる ことはあらじな


五、きけばこそ 望みもおこれはらもたて 聞かざるぞけに まさるなりけり


六、こころには なにわのことを思うとも 人のあしきには いわざるぞよき


七、見ず聞かず いわざる三つのさるよりも 思わざるこそ まさるなりけり

 

これらの歌については、以下のように解釈されています。

 

まず、志を立てるのは独りをよしとする(一)。

その後に世俗と共に移り変わり(二)、

世の厭うべきを覚り(三)、

色声を空しくして(四・五)、

他人の好悪長短を説かず(六)、

一切の善悪すべて思量することなかれ(七)

(以上、廬山天台講寺資料より)

 

これを、少し今風の言葉に置き換えると、こんな感じでしょうか。

 

まず、自分の目標や志を立てるときは、一人で静かに考えることが大切(一) 。

そのあとで、世の中の変化に合わせて柔軟に動きましょう(二)。

世の中には、心を乱すものも多いと知り(三)。

見たもの・聞いたこと、うわべの楽しさに振り回されないように(四・五)、

人の好き嫌いや、良し悪しをむやみに言わない(六)。

そして最後は、善い・悪いとすぐに決めつけず、静かに心を保ちましょう(七)。

 

こうして見ると、三猿の「見ざる・聞かざる・言わざる」のエッセンスが、七猿歌の中にしっかりと息づいていることが分かりますね。

 

ところで、この七猿歌について、あまり多くの情報が見つけられなかったのですが、京都に、この歌にでてくるおサルさんに会えるお寺があることが分かりました。

 

次回は、その七猿歌ゆかりのお寺、廬山天台講寺(ろざんてんだいこうじ)についてお話しますね。

 

 

 

二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。

猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。

ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

また次回のブログでお会いしましょう!

 

 

参考文献・サイト・取材協力

・世界の三猿: その源流をたずねて/飯田道夫 人文書院

・驚きの猿文化~世界のサル文化紀行から/上島亮 株式会社三重大学出版会

・日吉大社

https://hiyoshitaisha.jp/

・廬山天台講寺

https://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/

 

※順不同

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