こんにちは。二助企画です。
前回に続いて「おサルに願いを」シリーズをお届けします。
今回は、大黒山金剛寺八坂庚申堂、大阪四天王寺庚申堂、東京入谷庚申堂に加えて、日本三大庚申を名乗るもうひとつのお堂、下野庚申堂のおサルさんについてご紹介します。
下野庚申堂は、岐阜県中津川市にあります。中津川といえば宿場町のイメージが強いかもしれませんが、少し足を伸ばすと、こうした信仰の歴史を今に伝える場所に出会うことができます。

(撮影:二助企画)
創建は鎌倉時代初期。現在の本堂は1778年(安永7年)に建てられたものだそうで、実に約250年の歴史を持つ貴重な建物です。長い年月を経てもなお、地域の人々に大切に守られてきたことが伝わってきます。
こちらでまず目に入るのが、堂々とした佇まいの三猿さん。

(撮影:二助企画)
これまで各地でさまざまな三猿に出会ってきましたが、下野庚申堂の三猿は、どこか落ち着いた雰囲気があります。派手さはないものの、しっかりとした造形で、長年ここに立ち続けてきた重みのようなものを感じさせます。
そして、もう一匹。
なんとも可愛らしい満面の笑みで、参拝者を迎えてくれるおサルさんがいました。その表情はとても柔らかく、こちらまで自然と笑顔になってしまいます。こんなにほほえましいおサルさんは、これまで見たことが無い気がします。

(撮影:二助企画)
三猿が「戒め」や「教え」を象徴する存在だとすると、このおサルさんは、参拝者の気持ちをふっと和らげてくれるような存在。厳しさだけでなく、どこか温かみのある庚申信仰の一面を感じさせてくれます。
お堂の中をのぞいてみると、たくさんのくくり猿が奉納されていました。

(画像③ 撮影:二助企画)
これまで見てきたくくり猿とは少し趣が異なり、てまりのようなものと一緒に吊るされているように見える点が、とても印象的です。願いを託すだけでなく、どこか遊び心や暮らしの気配が感じられるのが興味深いところですね。
残念ながら、訪れた際にはお堂の方がいらっしゃらず、詳しい由来やお話を伺うことはできませんでした。しかし、だからこそ、決まった説明に縛られず、自分なりに想像を巡らせながらおサルさんたちと向き合う時間を持つことができました。
「さすが日本三大庚申を名乗るお堂」と感じさせる立派さと同時に、どこか親しみやすい空気感。下野庚申堂は、そんな不思議な魅力を持つ場所でした。
さて、これまで「おサルに願いを」シリーズでは、庚申信仰を通して、三猿、四猿とおサルさんに数字のキーワードを掛け合わせてお話してきました。しかし、実はもうひとつ、おサルさんに縁深い数字があるのです。それは「7」。
正確には、「七猿歌(しちえんか)」と呼ばれる、七つの猿にまつわる歌があります。次回は、その「七猿歌」について、皆さんと一緒にひも解いていきたいと思います。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
参考文献・サイト・取材協力
・世界の三猿: その源流をたずねて/飯田道夫 人文書院
・驚きの猿文化~世界のサル文化紀行から/上島亮 株式会社三重大学出版会
北恵那交通株式会社>おすすめ観光スポット>見る・体験する>下野庚申堂
下野庚申堂
中津川市>文化課>文化>文化財>中津川市の指定文化財
https://www.city.nakatsugawa.lg.jp/soshikikarasagasu/bunkaka/2/3/933.html
他
※順不同
