こんにちは。二助企画です。
おサルに願いをシリーズ、三猿のはじまりについて考える中で、これまでに、インドや「論語」の教えについて触れてきました。一方で、実は三猿の源流が「古代エジプトにあるのでは?」という、驚くような説も存在します。今回は、その少し意外な説をご紹介しましょう。
「世界の三猿: その源流をたずねて」(飯田 道夫著)では、タイトル通り、三猿の起源についてあらゆる国の博物館などをリサーチして得られた知見と考察が紹介されています。
飯田氏はこの著書の中で、ルーツが古代エジプトであると結論付けています。古代エジプトの猿神トトが「言わざる」のポーズをとっている姿が、発掘された壺などに見られることを、その根拠として挙げています。
また、三猿の教えとは「見ざる、言わざる、聞かざる」を指しますが、同書によると、世界の一部地域では「よく見て、よく聞き、でも軽率に話すな」という、より積極的に関与しつつ慎重さも求めるような考え方を表現することがあるそう。「ところ変われば、品変わる」ということわざを思い出しますね。
ところで、この逆三猿とも言える教え、実は日本にもあるんです!
それは、埼玉にある秩父神社の三猿。秩父神社は、鎮座2100年の歴史を持つ、関東でも屈指の長い歴史を持つ神社です。
日光東照宮と同じく、徳川家にゆかりのある御社であるのですが、こちらで会える三猿は「よく見て・よく聞いて・よく話す」姿なんです。「お元気三猿」として人々に親しまれているそうですよ。
そしてもうひとつ、日本に伝わるちょっと変わった三猿をご紹介します。
福島県西会津町にある鳥追観音(如法寺)。奈良時代に、初めて庶民に対して仏教を説いた僧侶として有名な行基が、会津巡錫の際、当地の農家を救済した物語がルーツとなるお寺です。
こちらには、「隠れ三猿」があります。それぞれの彫刻には
「災難より隠れザル」
「災難より逃れザル」
「安楽に暮らしザル」
という意味が込められています。中でもの3匹目の「安楽に暮らしザル」は、見つけるのがなかなか難しいそう。すべてのおサルさんを見つけることができた者には、幸運が訪れると言われています。
なんだか前回ご紹介した中国の白雲観にいる3匹のおサルさんを思い出しませんか?
読者の皆さんのために、隠れザルの探し方についてヒントをお伝えしておきましょう。
白雲観のおサルさんは撫でることができる場所にいますが、鳥追観音のおサルさん達は、見つけることはできても、撫でることはできない場所にいますよ。(つまり、人の手が届かない場所ということです!)
三猿の姿は、時に人々を戒め、時に癒し、時に幸せを運んできました。次回はそんな三猿の中でも、もっとも有名な日光の三猿について、触れていきますね。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
参考文献・サイト・取材協力
・世界の三猿: その源流をたずねて/飯田 道夫 人文書院
・世界の三猿―見ざる、聞かざる、言わざる- 中牧弘允 東方出版
・驚きの猿文化~世界のサル文化紀行から/上島亮 株式会社三重大学出版会
・宮島弥山 大本山 大聖院>今月の説法>「見猿・聞か猿・言わ猿・せ猿」【2020年7月の法話】
https://daisho-in.com/sermon_2007.html
・秩父神社>お元気三猿
https://www.chichibu-jinja.or.jp/keidai/saru/
・日本の田舎西会津町>西会津町の景色>
・08_見つけると幸運が訪れる!鳥追観音の「隠れ三猿」